仕向地:欧州
対象法令:機械指令、低電圧指令、EMC指令、ATEX、圧力機器指令
参照規格:EN ISO 12100、13849-1、11161、EN 60204-1、など
欧州への工場移設
クライアント課題
- 日本国内で稼働実績があるラインを欧州に移設したいが経験がない。
- 欧州現地のコンサルに依頼したが言語の問題もあり不安。
- 国内仕様のまま使用したいとコンサルに相談したがコメントもアドバイスもない。
- 工場自体も建設するため、装置側の対応に時間を割けない。
支援内容
- ラインを構成する約100装置に対して、各々の対象法令/規格を選定
- 追加/変更対応が必要な装置をピックアップ
- 上記支援後にお客様の代行で現地コンサルと進め方の協議を実施 ※紆余曲折あり、弊社単独での支援に変更
- 追加/対応が必要な装置メーカー向けの技術支援を実施
- 装置のアセンブリ後に欧州現地にて評価/試験の実施
- ラインごとの技術文書の作成
- 工場の建設会社向けの仕様要求書の作成
総括
国内にて稼働している装置の仕様を変えずに欧州で新設したかったのですが、「安全」の基準に大きな乖離があり、装置によっては大幅な設計変更が必要でした。
そこで製造ライン全体ではなく構成装置ごとの支援に切り替え、各メーカー様に訪問し、支援を実施しました。
個々の装置を単独/ライン全体を想定した仕様に変更したことで、最終的なライン全体の評価時に大きな手戻りが発生することなく終えることができました。
余談ですが、本支援で勉強になったことがあります。
それは建設会社所掌の架台についてです。
架台は機械指令の評価対象ですが、欧州の建設会社が設計/製造するとのことで安心していました。
しかし、実際に完成した架台は手すりの幅、階段、メンテ時のアクセス方法など多くの箇所が不適合でした。
架台は装置の一部とみなすため、すぐに建設会社と協議の場を設け、是正していただきました。
以上から欧州の企業/業者であっても丸投げせずにすべて事前確認が必要と学びました。
今後はこの経験を活かした支援を提供いたします。
