投稿日: 2021年8月1日
昨今、日本メーカーの欧州プラント移設が増えてきています。
CEマークが日本でも広く浸透し始め、製品のCEマーク適合をされている製造者のかたも多いのではないでしょうか。しかし、自社工場のプラント移設となると何から手をつけたらいいのか分からないという担当者のかたがほとんどです。
本日は、特に近年注目が集まっている化学プラントにおける留意点をまとめて、分かりやすく解説していきます。
「プラント」にはいくつかの種類が存在します。
産業機械が多く設置された生産/製造ラインが一般的ですが、化学薬品など液体や気体などを精製するプラントも存在します。
今回は薬品などを扱うプラントについて解説いたします。見分け方は駆動することで目的を果たすプラントか否かです。
配管を通して何かを精製するプラントは「駆動する」とはなりません。
そして駆動しないプラントは圧力機器指令(PED)の対象となります。
その他の要因にはなりますが、爆発物質を扱う場合や爆発性雰囲気で使う場合は防爆指令(ATEX)へ対応する必要も出てきます。
圧力機器指令(PED)対象のプラントは各装置(配管や容器)が最終製品とみなされるため、各々がCEマークに適合している必要があります。
そのため、どの様な流体/気体が、どの様な圧力で、どの様なサイズの容器を通るのかが重要な要素となります。
これらの組み合わせにより、購入できる又は製造する機器が変わります。
組み合わせによる要求は圧力機器指令(PED)の原文に記載されている各種テーブルから算出いたします。
初見では分かり難いので、専門家と一緒に算出することをお勧めいたします。
圧力機器指令(PED)の場合、据付後に装置全体として評価する必要はありません。
現段階では装置全体を評価する規格が世の中に存在しないことが理由の一つです。
対象となるすべての装置のCEマーク適合を確認し、装置全体としてCEマークの宣言をします。
そのため準備段階(サプライヤー/機器選定)が非常に重要です。
圧力機器指令(PED)のプラントで据付後に不適合が発覚した場合、改造では手が打てませんので、必ず機器の交換が必要となります。
機器を交換する場合、サイズやスペックなどが合わないとすべてを作り直さないといけない可能性があります。
その際に費用との兼ね合いで機器を交換せずに稼働しているケースを見かけますが、それは常に法律違反を犯している状態ですので、当局に見つかった場合稼働停止となります。それだけではなく、責任者には罰金や禁固刑などの制裁が与えられる可能性が高いです。その様なことが起こらないためにも、事前準備にてしっかりと対応することを推奨いたします。
化学プラントの欧州移設は簡単ではありません。少しでも欧州法令の確認不足があると大きな遅延や追加費用が発生してしまいます。そうならないために、リープではプラント設計段階で全機器の仕様決めの支援を実施しております。プラント移設支援の実績がある当社だからこそ可能な、各ステップでの手厚いサポートで、皆様を安心安全な欧州進出へ導きます。
プラントの移設や新設を検討されているメーカーのかたはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。