医療機器指令/規則(MDD/MDR)の概要
医療機器指令/規則(MDD/MDR)は、医療機器およびその付属品に適用されます。
医療機器はリスクに応じてクラスⅠ、Ⅱa、ⅡbおよびⅢの4つに分類されます。
医療機器で唯一自己宣言が可能なのは、クラスⅠかつ滅菌、計測機器でない製品のみです。例えば、福祉に使用される物(日本では医療機器の範囲外)やメガネなどです。
それ以外は必ず認証機関(ノーティファイドボディ)の関与およびISO13485の取得が必須です。日本の医療機器制度とは全く違いますので、比較ではなく別物として捉えてください。
MDDとMDRの違い
MDDとMDRの違いは、MDD(指令)からMDR(規則)への格上げです。
現行の医療機器指令 Medical Device Directive (93/42/EEC) と能動埋め込み型医療機器指令 Active Implantable Medical Device Directive (90/385/EEC) に代わる医療機器規則Medical Device Regulation(EU 2017/745)が2017年5月25日に発効されました。
規則になり下記3点が大きく変更になりました。
1.設計開発段階
・臨床評価レポートの厳密化
・MEDDEV2/7/1 rev.4よりも厳しい解釈
・同等性評価根拠:設計文書レベルを保有
・レポート作成者資格の厳格化
2.Supplier管理
・広範囲のSupplier管理
・翻訳業者
・臨床評価者
・物流サービス
3.市販後活動
・PMS計画
・PMS報告
・市場監視(Vigilance)
・文献調査
・市販後臨床フォローアップ(PCFS)
・臨床評価報告書アップデート
・苦情
・アンケート
医療機器指令/規則(MDD/MDR)の目的
医療機器指令/規則は、EEA(欧州経済圏)内で流通されるすべての医療機器を法律的に整合するために制定されました。
医療機器指令/規則の適用範囲に入るすべての医療機器は、「必須要求事項」を満たして、CEマークを貼付することが求められています。
CEマークされた医療機器は、EU加盟各国ごとの追加的な規制を受けることなく、EEA(欧州経済圏)内において、自由に流通させることができるようになります。
医療機器指令/規則に適合させるための「4ステップ」
・安全/性能要件GSPRの検証
・該当する整合規格への適合
・技術文書の作成(STED)
・申請
医療機器指令/規則の適用範囲
医療機器指令/規則は、製造者が以下の目的のために人体に使用することを意図したあらゆる計器、器具、機器ソフトウエア、物質またはその他の物品で、単独または組合せで使用されるいずれの場合にも適用されます。
・病気の診断、予防、監視、治療または緩和
・怪我または障害の診断、監視、治療、緩和または補償
・解剖学上のまたは生理学上のプロセスにおける調査、交換および変更
・受胎調整
また、製造者が特に、診断または治療目的で使用することを意図し、その正しい適用のために必要なソフトウエアも含まれます。
「付属品」とは、それ自体は機器ではない部品で、 ある機器をその機器の製造者が意図する用途に従って使用できるようにするために、特にある機器と共に使用されることをその製造者によって意図されたものを意味します。
リープの支援
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