「NRTL」とは何ですか?

Nationally Recognized Testing Laboratory(NRTL)は、製品の評価、テスト、および認証を提供するために労働安全衛生局(OSHA)によって承認された第三者機関です。

https://www.osha.gov/nationally-recognized-testing-laboratory-program/current-list-of-nrtls

上記リンクより現在登録されているNRTLを探すことができます。

NRTLは、OSHAから製品に認証を付与する権限を与えられております。

米国市場へ上市する際、NRTLの認証を取得していないと受け入れを拒否される可能性があります。

NRTL認証は、CEマークのような製造業者向けではなく雇用主向けの法律ですが、米国市場に販売する際には気を付けるべき認証です。

「NRTL」は何をしてくれるの?

OSHAによって承認されたNRTLは、製品の対象規格に基づく試験/評価の実施と工場検査に合格すれば認証書を発行してくれます。

また認証された証としてNRTLごとの独自なマークを製品上に貼付することを許可します。

マークの左にC右にUSと書かれている場合、C=カナダ、US=米国で使用可能です。

アメリカの規格

アメリカの基準・規格は労働安全衛生局(OSHA)とアメリカ規格協会(ANSI)の2つの団体が定めています。

【OSHA】…アメリカ労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration)。1970年に労働安全衛生法(OSHA基準)が施行され、アメリカ労働省の機関の1つとして設立。OSHA基準29 CFR PART 1910では事業者に対して職場の安全と健康的な労働環境の整備を義務付けている。

【ANSI】…アメリカ規格協会(American National Standards Institute)1918年設立。ANSIでは規格は作成せず、専門分野の団体や関連する委員会などによって作成された規格を、ANSI規格として承認する方式を採用している。

【SDO】…規格開発機構(Standards Developing Organizations)。上記の通り、実際に規格を作成し、ANSIに提言する組織。UL(米国保険業者安全試験所)やNFPA(米国防火協会)が所属している。

【NFPA】…アメリカ防火協会(National Fire Protection Association)防火基準の制定等を行う非営利団体。NFPAが発行する基準・規格はアメリカ国内で広く認知されている。

北米の代表規格

【NFPA70】…・電気配線・電気設備設置に関する規格

・電気使用から発生する危険性に対し、人命や財産への保護を確立するのが目的

・UL規格はNFPA70を基礎として作成されている。

【NFPA79】…・産業用機械、装置の実践的な電気規格(NFPA70でカバーされていない安全面を最重要視している)

・機械を操作する作業員に対して操業の安全性を保証することや、電気サージや過電流から引き起こされる可能性のある火災を防止することが目的。

・600V以下の電圧で動作する機械の電気・電子機器に適用される。

【UL規格/ANSI】

・個別製品をカバーしている規格

・配管や防爆認証の際に参照する規格

各NRTLは、アメリカの安全規格に基づき、製品の検査や試験、認証を行っておりますが、それぞれの機関において認証できる範囲や費用が異なります。

【NRTL認証のステップ】

  1. 製品の該当となる規格を確認する
  2. 評価可能なNRTLを選定・依頼する
  3. 評価/試験を受ける
  4. 登録された認証マークの貼付許可を得る
  5. NRTLの認証マークを製品上へ貼付する

NRTLはどんな会社があるの?

OSHAは現在、米国とカナダにサイトを持つ20の組織をNRTLとして認定しています。

https://www.osha.gov/dts/otpca/nrtl/nrtllist.html

これらの組織のいずれかから認証マークが表示された場合、その製品はOSHAの厳しい要件を満たし、認定された有能で客観的な第三者機関によってテストされていると信頼できます。

NRTL以外の安全評価

Field Evaluation(フィールドエバリュエーション)とは?

NRTL認証を取得する以外にも、製品の安全評価を行う方法があります。それがField Evaluation です。Field Evaluationは、管轄権を有する当局(AHJ)、またはその他の規制機関の認証を持たない製品を、製品が特定の用途および場所に適用される製品安全基準に従って評価できるプロセスです。つまり、対象となる1台の製品に対して安全評価を行います。Field Evaluation は、NRTLのように工場監査が不要な評価方法です。

NRTLとField Evaluationの比較

ここで「自社製品はNRTLとField Evaluationのどちらで北米輸出するべきなのか」と迷われるかたも多いかと思います。ポイントは、北米への輸出台数と仕様変更の有無です。

リープによるNRTL認証サポートサービス

当社では、まずNRTL/Field Evaluationのどちらがよりメリットがあるかを検証します。

認証方法の決定後に下記認証取得サポートを提供いたします。

1. NRTL代行選定…対象装置及び仕向地の評価ができるNRTLの調査

2. GAP分析…実機と規格との差分分析

3. 申請支援…NRTL向け申請書の記入支援

4. 現地試験の立ち合い…Field Evaluation評価時にアテンド及び対応

北米輸出でお困りの点がありましたら、お問合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。