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UK離脱でどうなる!?CEに代わりUKで適用されるUKCAマークとは

投稿日: 2020年9月25日

UKCAマークとは

日本国内でも騒がれていたUKのEU離脱後のUKCAマークについて、ついに2020年9月1日に英国政府よりガイダンスが発行されました。今回は、UKCAマークの概要と合わせて、「いつから対応しなければいけないの?」「CEマークに対応できていればそのまま輸出できるの?」といった内容も解説していきます。

 

UKCAマークの対象国

 

まずは、今回影響のある対象国を確認しましょう。

UKCAマークの対象国は以下の通りです。

 

UK 正式名称:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国

  1. イングランド
  2. ウェールズ
  3. スコットランド

※UKの一国である北アイルランドは、UKCAマークの対象外です

(この記事では、上記1~3をUKと記載しております)

 

この北アイルランドを除く歴史的経緯に基づく3つの国が、UKCAマークの対象国となります。UKCAマークだけでは、CEマークまたはUK(NI)マークが必要な北アイルランドには輸出できません。UKCAマークは、UK(イングランド、ウェールズ、スコットランド)で市場に出される商品に使用される新しい英国製品へのマークです。これは、以前CEマークを必要としたほとんどの製品を対象としています。

 

この記事では、UKCAマークの使用方法について説明します。これらの商品の市場への投入に関する詳細については、個別にご案内いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

 

UKでの販売

 

まずは、自社製品が新しいUKCAマークを使用する必要があるかどうかを確認します。UKCAマークは、現在CEマークの対象となっているほとんどの製品に適用されます。2021年1月1日以降、満たす必要のある技術要件(「必須要件」)、および適合性を実証するために使用できる適合性評価プロセスと規格は、現在のCEマークとほとんど同じになります。つまり、対象製品も適合プロセスもCEマークとほとんど同じです。ただし、何もしなくていいわけではありません。

 

UKCAマークは2021年1月1日から使用が可能です。そして、製造者が新しい要件に対応する時間を確保するために、ほとんどの場合、2022年1月1日までCEマークを使用できます。ただし、今回の英国政府からのガイダンスでは、この日付の前にできるだけ早くUKCAマークを使用する準備をしておくことを推奨しています。

 

この間(2021年1月1日~2022年1月1日まで)のCEマークは、UKとEUの規則が同じままである場合のみ有効です。EUが規則を変更し、製造者がそれらの新しい規則に基づいて製品にCEマークを付けた場合は2021年12月31日以前でも、CEマークを使用してUKで販売することはできません。

 

UKCAマークのガイダンスが英国政府より発行されましたが、医療機器、鉄道の相互運用性、建設製品、および民生用爆発物については、個別のガイダンスがあります。もしこれらに当てはまる製品の製造者のかたは、必ず個別のガイダンスを確認してください。

 

EUでの販売

UKCAマークは、上記の3か国が対象であるため、EU市場では認識されません。現在CEマークが必要な製品をEUで販売される場合は、2021年1月1日以降もCEマークが必要です。

 

UKCAマークを使用する場合

以下のすべてが当てはまる製品は、2021年1月1日直後に新しいUKCAマークに適合する必要があります。

 

  • UK市場向けである
  • UKCAマークを必要とする法律が適用される
  • 第三者認証機関(NB)による適合性評価が必須である
  • 適合性評価がUKの認証機関によって実施され、2021年1月1日までにUKの認証機関からEUの認証機関に適合性評価ファイルを移管していない

 

これは既存の在庫には適用されません。たとえば、製品が完全に製造され、2021年1月1日より前に市場に出す準備ができている場合などです。この場合、UKの機関が発行した適合証明書でカバーされていても、CEマークが付いた商品をUK内で販売することができます。

 

UKCAマークの使用方法(UKCAマークの配置)

 

ほとんどの場合、UKCAマークを製品自体またはパッケージに表示する必要があります。場合によっては、マニュアルやその他の補足資料に掲載されることもあります。これは、製品に適用される特定の規制によって異なります。

 

次の一般的な規則が適用されます。

 

  • UKCAマークは、製造者または認定代理人としての製品のみに配置する必要がある(該当する法律で要求されている場合)
  • UKCAマークを貼付する場合、製造者は製品が該当する法律の要件に適合していることについて全責任を負う
  • UKCAマークは、該当する英国の法律への製品の適合性を示すためにのみ使用する必要がある
  • UKCAマークの意味や形式を第三者に誤解させるようなマークやサインを配置してはならない
  • UKCAマークの視認性、読みやすさ、または意味に影響を与えるその他のマークを製品に貼付してはならない
  • 法律で特定の要件がない限り、UKCAマークを製品に付けることはできない

(UKCAマークの対象製品以外に勝手にUKCAマークを貼付してはならない)

 

UKCAマークを使用するためのルール

 

次のことを確認する必要があります。

 

  • マークのサイズを縮小または拡大する場合、UKCAマークを形成する文字は、以下に示すバージョンに比例していること
  • UKCAマークは、高さが少なくとも5mmあること(該当する法律で異なる最小寸法が指定されていない限り)
  • UKCAマークは見やすく、読みやすいこと(2023年1月1日から永久に貼付する必要がある)

技術文書

 

記録の保存

製造者または製造者の正式な認定代理人(該当する法律で要求されている場合)は、製品が規制要件に適合していることを証明するために文書を保管する必要があります。これは、製品が市場に出されてから最大10年間保持する必要があります。この辺りもCEマークの要求と同じですね。

 

この技術文書は、市場監視または執行当局から要求があった場合は、製品が法的要件に適合していることを証明するために、速やかに提出しなければならなりません。

 

保持する必要のある技術文書は、製品の該当法令によって異なります。

一般的には以下の情報を保持する必要があります。

 

  • 製品の設計と製造方法
  • 製品が該当する要件に適合していることがどのように示されているか
  • 製造者の住所と保管施設

 

これらは、市場監視当局から要求された場合に提供できる技術ファイルの形式で情報を保持する必要があります。

 

適合宣言書

UK適合宣言書は、UKCAマークに適合したほとんどの製品について作成する必要があります。CEマークでいうところのEU適合宣言書です。

 

製造者としての文書、または認定代理人(該当する法律で要求されている場合)では、次のことを行う必要があります。製品が該当法令に適合していることを宣言し、認証機関(該当する場合)に関する情報と、製造者(または認定代理人)の名前と住所が文書に含まれている必要があります。UK適合宣言書は、技術文書と同様に市場監視当局の要求に応じて、提出できるようにしておく必要があります。

 

このUK適合宣言書に必要な情報は、EU適合宣言書に現在必要な情報とほとんど変わりません。これは製品の該当法令によって異なりますが、一般的には次のものが含まれます。

 

  • 製造者名と会社の完全な住所、または認定代理人の住所
  • 製品のシリアル番号、モデル、またはタイプの識別
  • 製品のコンプライアンスについて完全な責任を負うことを表明する声明
  • 適合性評価手順を実施した承認機関の詳細(該当する場合)
  • 製品が適合する該当法令
  • 代表者の名前と署名
  • 宣言の発行日
  • 補足情報(該当する場合)

 

EUの法律ではなく該当する法律

このUKCAマークに適合するためには、欧州連合の公式ジャーナルで引用されている規格ではなく、UKが指定した規格を使用する必要があります。UKの規格は実質的にENと同じであり、EUで使用されている規格と同じ参照になります。 ただし、適合する際は「BS規格」を使用して、英国の国家標準化機関として英国標準化機構が採用した標準である必要があります。

 

今後のUKでのマーク

 

2022年1月1日以降、CEマークはUKのUKCAマーク対象地域に関して認められません。ただし、CEマークがついた製品でも、合わせてUKCAマークが貼付され、英国の該当規則に適合していれば、英国での販売は引き続き可能となります。これは今までも、ULマークなど他国の認証マークが同時に貼付されていてもCEマークに適合できていれば問題なかったのと同じですね。あくまでも、UKCAマークに適合していることが重要です。

 

UKCAマークの対象となる製品分野

 

  • 玩具安全
  • レクリエーションクラフトと水上バイク
  • 簡易圧力容器
  • 電磁両立性(EMC)
  • 非自動計量機器
  • 計測器
  • リフト
  • ATEX
  • 無線機器
  • 圧力機器
  • 個人用保護具
  • ガス器具
  • 機械
  • 屋外騒音
  • エコデザイン
  • エアロゾル
  • 低電圧電気機器
  • 有害物質の制限(RoHS)

 

上記がUKCAマークの対象製品ですが、いくつかの特別な規則があります。

 

  • 医療機器
  • 鉄道システムの相互運用性
  • 建設製品
  • 市民爆薬

 

上記4つには、個別のガイドラインが発表されていますので、しっかりと確認しましょう。

 

UKCAマークに関する経過措置

 

多くの製品タイプには、次の移行措置が適用されます。2022年12月31日までの間は、製品や添付書類にUKCAマークを貼付するという選択肢があります。2023年1月1日からは、UKCAマークを製品上に永久的に表示する必要があります。建設製品、医療機器、鉄道システムの相互運用性、可搬式圧力機器はUKCAマークの対象ですが、上記の移行措置は適用されません。

 

まとめ

それでは最後に、移行の流れをおさらいしましょう。

※2023年1月1日まで、ほとんどの製品(特別な規則の対象となるものを除く)には、製品に添付されたラベルまたは添付文書にUKCAマークを付ける必要があります。経済運営者(製造業者、輸入業者、販売業者のいずれであっても)は、UKCAマークが確実に維持されるように合理的な措置を講じる必要があります。UKCAマーキングを必要とする製品は、それなしでは利用できません(2022年1月1日より前にCEマーキングが使用されている場合を除きます)。

 

UKCAマークに適合支援サービス

いかがでしょうか。すでにCEマークをご存知の方ならお分かりの通り、UKCAマークの要求自体はCEマークの要求と大きくは変わりません。しかし、今後は移行期間やEUの規則と自社製品の差分をチェックが必要となりますので、注意して動向を確認しましょう。

 

特に現在、第三者機関(NB)の関与が必須の製品を扱っている場合や、医療機器などの製品ついては別途対応が必要となります。当社では、この第三者機関(NB)の関与が必要な製品に対しても移行の支援サービスをご提供しております。

 

このUKCAマークについて「個別に相談してみたい」という方は、お問合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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