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CEマーキングにおける「輸入者」の法的義務

投稿日: 2020年4月13日

CEマーキング製品の輸入者とは

CEマーキングは、製造者だけのものではありません。
欧州の法律では、製造者だけでなく「輸入者」や「流通業者」に対しても義務が課されています。

 

■「輸入者」とは?

輸入者は、EUに設置され、第三国からの製品をEUに上市する自然人または法人。

輸入者の義務は製造業者の義務に基づく。

 

輸入者に必要な項目

一般原則として、輸入者は、製品を上市する前に次を確実にしなければいけません。

  1. 適切な適合性評価手順が製造業者によって実施されていること。
    製品の適合性に疑問がある場合は、上市を中止しなければならない。製品がすでに市場に出されている場合、是正措置を講じる必要がある。どちらの場合も、製品の適合性に関する疑念を明確にするために、製造者に連絡する必要がある。
  2. 製造業者が技術文書を作成し、関連する適合マーキング(CEマーキングなど)を添付し、トレーサビリティ義務を履行。該当する場合は、消費者および最終使用者が容易に理解できる言語で取扱説明書および安全情報を製品に添付すること。

 

輸入者が実施すべき項目

さらに、輸入者は以下の項目を実施しなければなりません。

 

一 輸入者は、以下の3点を製品上に表示すること。

(1)名称

(2)登録商標名又は登録商標マーク

(3)コンタクト可能な住所

製品のサイズ若しくは物理的な特性または開梱が必要で製品上への表示が不可能な場合、梱包または添付物に表示すること。これによって、製品上または添付物上に表示された安全表示の視認性を妨げてはならない。

 

一 製品がその責任下にある間、保管または輸送条件は適用法令に示された要求への適合を損なわないこと。

 

一 上市後10年間または関連EU整合法で定められた期間、EU適合宣言書のコピーを保管すること。

 

一 技術文書を所管国家当局の要求に応じて確実に提供すること。
輸入者は、当局の根拠のある要求に応じて協力し、製品の適合性を立証するために必要な情報および文書を当局が容易に理解できる言語で提供しなければならない。これは、国家当局は、国家の言語と異なるが理解できる言語を受入れるであろうという考えに基づく。選択される言語は、当局との交渉おいて受入れられれば、第三言語も可能である。

 

一 根拠のある要求の場合、輸入者は、指摘された不適合に関連し、製造者により問題が処理されたことを立証するに相応しい技術文書の一部を提出すれば十分である。そのため、技術文書の翻訳要求は、これらの部分に限られるべきである。

 

一 輸入者は、市場監視当局の要求に応じて、製品の供給元および供給先の事業者を特定できなければならない。この情報は、製品の供給を受けた後、または供給した後10 年間提供できなければならない。

 

輸入者の役割

上市した製品がEU法令に適合していない輸入者の場合、直ちに製品を適合させる、回収する、またはリコールすることになります。その際には、必要な是正処置を講じなければなりません。さらに、製品がリスクを引き起こす場合、輸入者は直ちに所管国家当局へ報告しなければなりません。

輸入者は、認定代理人のように製造者からの要請書も製造者との優先関係も必要ありません。しかし、その責任を遂行するために製造者との連絡網が確立されることを確実にしなければなりません。

 

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