2020年9月19日
RoHS指令の要求事項に対して、整合規格に基づいた技術文書の作成を行う必要があります。RoHS 2(2011/65 / EU)は 、RoHS 1(2002/95 / EC)に代わり、2013年1月2日に発効されました。トレーサビリティが強化され、よりしっかりとした生産管理と技術文書の作成が要求されました。そして、この整合規格EN50581:2012は、2021年11月18日にENIEC63000:2018に置き換わります。
RoHS指令唯一の整合規格は、2021年11月18日に現在のEN50581:2012からEN IEC 63000:2018へ置き換わります。欧州電気標準化委員会(CENELEC)は、RoHS 指令2011/65 / EUの整合規格としてEN IEC 63000:2018を採択しました。EN IEC63000も特定有害化学物質制限への適合を宣言するために製造者が編纂する技術文書を指定しています。この規格は、EN 62321-xのような試験規格とは異なります。
これは2020年5月15(EU)2020/659にて決定され、製造者は、EN 50581:2012からEN IEC 63000:2018への移行を2021年11月18日までに行わなければいけません。下記の通り、欧州委員会の公式サイトでは、現在EN50581:2012とEN IEC 63000:2018を整合規格として公表しています。移行期間が終了する2021年11月18日まで、両方の規格を使用してRoHS指令への適合を証明します。移行期間の終了後の2021年11月18日以降は、EN IEC 63000:2018のみが受け入れられます。
<2020年9月現在の欧州委員会の公式サイトにおけるRoHS指令の整合規格>
EN50581:2012は、2012年11月23日からこれまで使用されていたRoHS指令における唯一の整合規格です。これはRoHS指令の必須要求事項である特定有害化学物質の非含有を証明するための手順が定められています。加えて、RoHS 指令への適合を宣言するために製造者が編纂する必要がある技術文書を指定しています。このEN 50581:2012で要求されている内容を実施することにより、有害物質の制限に関して電気電子機器の正しい評価、RoHS指令へのみなし適合を行います。
IEC 63000は、国際標準化機関で2016年10月に発行されました。これは、EN 50581に基づいて作成されています。IEC 63000:2016とEN 50581:2012の内容はほとんど同じですが、国際的な範囲を広げるために、RoHS 2固有の表現が削除されています。これは、RoHS関連の規制に対し国際標準を世界中に提供するために発行されました。
EN IEC 63000は、CENELEC(欧州電気標準化委員会)によって採用され、EN50581が国際規格化したのちに発行されました。ですので、RoHS指令として対応することは、今まで同様に有害物質の制限に関する電気電子機器の評価のための手順と技術文書を作成することです。新しい規格は、EN 50581:2012の規範的な参考文献も更新して、分析試験方法と材料宣言の最新の国際的な開発を反映しています。
それぞれについて解説しましたが、IEC63000:2016、EN IEC63000:2018のいずれもEN50581:2012を基に作成されていますので、ENIEC63000:2018への置き換えによって製造者への大きな変更は必要ありません。しかし2021年11月18日の移行後は、DoC(EU適合宣言書)の整合規格の書き換えなど、対応していないと市場監視システムなどの取り締まりで、輸出(欧州域内への上市)を止められてしまうリスクもありますので、しっかりチェックしておきましょう。
当社では、EN50581:2012、EN IEC63000:2018に基づいた社内体制構築支援を行っております。「機械指令やEMC指令は対応できたけど、RoHSは後回しにしてしまっている…」「社内での連携をどのようにして体制構築したらよいか分からない」など、EN IEC63000:2018にてお困りのかたは、下記の連絡先まで、お気軽にご相談ください。